BLOG

ブログ

ミニマリストのための
狭小アパートのススメ

狭小ワンルーム

設計事務所の社長からちょっと興味深い話を聞きました。
ここ最近、都内の住宅がどんどん狭小化しているとのこと。

アパート用地が狭小化?
狭小な住宅と言うと狭い敷地に建っている小さな一戸建を連想しますが、ここでいう狭小住宅とは単身者向けのワンルーム賃貸住宅のこと。
その設計事務所はこれまで数多くの賃貸アパート・マンションの設計をこなしてきていますが、2019年あたりから持ち込まれるアパート用地が目に見えて狭小化してきているそうです。しかも狭いだけでなく変形敷地ばかりで、なかなか良いプランが入らないんだと嘆いていました。
おそらく近年のアパート建設ブームの影響でアパート用地が高騰を続けているからなのでしょう。事業収支の合う土地がどんどん狭小・不整形化してきているということなんだろうと思います。

社長いわく
最近のアパートの平均専有面積は15㎡前後とのこと。
分譲型ワンルームの専有面積がだいたい25㎡くらいですから、約60%の広さということになります。
実際の図面を見せてもらいましたが、玄関を入ると片側にミニキッチン、もう片側に小さなバスルームがあり、その先の扉を開けると4畳半の洋室という、いわゆる1Kタイプです。
この4畳半の中にシングルベッドとダイニングテーブルセットを収めると。。。
「うーん、狭いけどまあ何とかなるかな?」という感じ。

しかし!
まだここで驚いてはいけません。
ときには15㎡プランすら入らない極端な狭小・不整形地が持ち込まれることもあるそうです。本来ならばデベロッパーの担当者に丁重にお断りするところでしょうが、この社長なかなかのプロ根性をお持ちのようで、
「ええい、こうなったら13㎡プランにチャレンジだ!」と、更なる未知のステージに。

禁断の13㎡プラン
社長に実際の13㎡プランの図面を見せてもらいました。
玄関ドアを開けると幅70cmの廊下が現れます。廊下の片側には極小シャワーブースに極小トイレ、巨漢の方は絶対に入れません。
ちなみに洗濯機置き場はありません。近所にコインランドリーがあることが設計の前提になっています。
狭い廊下を抜けるとちょっとした空間が出現。和室的な感覚でいうと3畳弱といったところ。そして片隅に申し訳程度のキッチン。
以上。
「え、この3畳が居室なの?」


一応は人間の生活ですから、机と冷蔵庫、それにちょっとした収納くらいは置きますよね。そうするとベッドを置くスペースなど見当たりません。
人が立ったり座ったり寝たりできる空間はおよそ1畳くらい。もはやワンルームという印象すらなく、カプセルホテルという感じ。
果たして人は、この3畳という空間の中で生活できるのでしょうか!
よくこんなプランを施主がOKしたもんだと半ばあきれながら図面を眺めていたところ、ふとあることを発見。
3畳の居室から垂直にハシゴを登ったところに2畳くらいの謎のスペースが。
「社長、これなに?」

そこで社長、
「大きい声じゃ言えないけどさ、この物置が事実上の寝室だね。。。」
※注(決して建築基準法上の居室ではありません。明らかに物置です。念のため)

「起きて半畳、寝て一畳」
まさにそんな生活。
この13㎡がぎっしり12室つまったアパートは無事竣工し、満室稼働が続いているそうです。
最近の若者はミニマリストが増えているとのことですが、こういった狭小住宅も時代のニーズなのかもしれませんね。

一覧へ戻る

CONTACT

不動産投資や物件情報について
お気軽にお問い合わせください。

TEL 03-6447-2823