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2020年スタートの新制度
「配偶者居住権」とは?

配偶者居住権

2015年の相続税増税の影響で課税対象者が急増しました。
基礎控除額が4割もカットされた結果、増税前と後では約2倍近く課税対象者が増えているとのデータもあります。これまで相続税とは無縁だった一般家庭がいきなり相続税の課税対象になり、「いよいよ日本も大相続時代へ突入か!?」とマスコミなどでも大変な騒ぎになったのは記憶に新しいところです。

増税がもたらしたもの
現金を相続した人はその中から相続税を払えば済みますが、自宅などの不動産だけを相続した人はそうはいきません。自分の預貯金から相続税を捻出するか、さもなければ不動産を売って納税資金にするしかありません。相続人各自がそれぞれ何を相続するかで不公平感が出ますので、親族間の争いも起こり易くなってきます。
特に問題になるのが、亡くなられた方の配偶者が自宅を相続した場合です。例えばご主人をなくされた奥様にとっては、十分な預貯金が確保されている以外には自宅を売って納税資金にするしかありません。配偶者には相続税軽減の特例が設けられてはいるものの、増税のためにご主人が残してくれた自宅に住むことすら許されない、こんな理不尽なことが現実に起こっているのです。

40年ぶりの相続法改正
このように、相続税の増税は実にさまざまな問題を引き起こしてきました。もともとこのような相続に関するトラブルを防止するために、民法の中の「相続法」といわれる規定が設けられていましたが、1980年以降は大きな改正が行われていませんでした。その間、約40年の間に人々の寿命は延びましたし、親族間の関係や価値観なども大きく変化してきました。
このような時代背景のなか、2015年の増税の及ぼした社会的影響もきっかけになって、いよいよ2018年に民法(相続法)の改正に至ったのです。
今回の40年ぶりの相続法改正では、高齢化する社会の中で残された配偶者の生活への配慮と、ある意味ドライに変容してきた人々の価値観への対応という2つの視点があるように思います。

新制度「配偶者居住権」とは
その中でも今回の改正の目玉ともいえるのが、「配偶者居住権」という新たな権利が制度化されたことです。
これは、「故人の配偶者の自宅については、仮に配偶者がその所有権を相続しなかったとしても、無償で住み続けても良いですよ!」という権利で、自宅という相続財産を①住む権利(配偶者居住権)と②その他の権利(負担付き所有権)に分けるという考え方です。いよいよ2020年4月から施行されることになります。

配偶者の生活を守るために
これまでの法制度では、ご主人を亡くされた奥様が遺産分割のためにご主人の残した自宅を売らなければならなかったり、奥様が自宅を相続して住まいは確保できたものの現金などは他の親族が相続したため生活費に困窮する、というケースが多くありました。
今回の法改正によって、自宅(不動産)の権利形態が、配偶者居住権と所有権(配偶者居住権の負担付き)に分けられることになりましたので、例えば、奥様が自宅の配偶者居住権を相続して、息子さんが自宅の所有権を相続することも可能になったのです。
その結果、奥様は住まいを確保しながらも現金を相続できる自由度も上がりました。残された配偶者が安定した老後を送るための選択肢が増えたことは歓迎すべきことだと思います。

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