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5分でわかる不動産の流動化・証券化

「不動産の流動化」とか、「不動産の証券化」という言葉をよく耳にされませんか?
ファンドや機関投資家といったプロの領域なので個人投資家の方にはあまりなじみがないかもしれません。なんとなくイメージはわかるけど。。。という方も多いと思います。今回のコラムでは、この不動産流動化(証券化)スキームについて解説をさせていただきます。


不動産信託の仕組みについて
不動産の流動化・証券化を理解するうえで、まずはじめに信託の仕組みを知る必要があります。

不動産を持っている人が、信託銀行などに不動産の所有権を移し、管理や処分を任せることを不動産信託といいます。
信託することで、不動産の所有権は元の所有者から信託銀行等に移り、信託財産となります。元の所有者はその見返りに、信託財産から得られる賃料収入や、売却したときの売却代金といった経済的利益を受け取ることができます。
このように、信託財産が生み出す経済的利益を受け取る権利のことを信託受益権と言い、金融商品取引法においてはみなし有価証券として位置付けられています。

不動産信託の主な登場人物は以下の3者です。

  ・委託者(元々の不動産所有者)

  ・受託者(信託銀行など)

  ・受益者(利益を受け取る者・委託者の場合や他人の場合もあります)


不動産の流動化とは
一般の不動産を売買するときは、不動産の所有権が売主から買主へ移転します。
これに対し、不動産信託の仕組みを利用する場合は、不動産をいったん信託銀行等に信託し、代わりに取得した信託受益権(みなし有価証券)を売買することになります。
この一連の流れを総称して不動産の流動化または不動産の証券化といいます。

余談になりますが、この不動産流動化の考え方は1990年代の不良債権処理を推し進める中で形作られたもので、流動化スキームの基礎となるSPC法をつくったのは、大蔵省官僚時代の片山さつきさんです。金融再生トータルプランの策定やサービサー法などのインフラ整備も彼女の実績です。
なかなかいい仕事してますね。


不動産信託を利用するメリットとは
不動産信託を利用した不動産流動化スキームが広く利用されることになったことには理由があります。
主な理由は次の2点です。

 税務面のメリット
  ・不動産取得税がゼロ
     信託銀行へ信託されることは所有権の移転とはみなされず、不動産取得税がかかりません。
     信託受益権の売買についても不動産の売買とはみなされず、不動産取得税がかかりません。

  ・登録免許税が激安
     受益者変更登記の登録免許税が1000
     土地の信託登記(評価額×0.3%)
     建物の信託登記(評価額×0.4%)

  ・契約書添付の印紙代が激安
     信託契約書の印紙代(200円)
     信託受益権売買契約書の印紙代(200円)

 オフバランスによるメリット
  ・オフバランスすることでバランスシートが身軽に
     委託者(元の所有者)が不動産の所有権を受託者(信託銀行)に移転(オフバランス)することでバランスシートを身軽にできます。

  ・委託者(元の所有者)が信託不動産を使用することも可能
     委託者は不動産を信託することで不動産の管理から解放されながらも、その不動産を受託者から賃借することで継続使用が可能となります。
     例えば、本社機能をそのまま残すことで社員の利便性やモチベーション、社会的な信用などが継続できるといった具合です。

  ・倒産隔離されることで受益者保護につながる
    一度オフバランスされた不動産は信託財産となりますので委託者の所有不動産ではなくなります。
    もし委託者が倒産した場合でも、委託者の債権者が強制執行をかけることができません。これを倒産隔離といいます。
    この倒産隔離機能によって信託受益権は不測の事態から守られ、信託受益権を取得した投資家を保護することが可能になるのです。


このように不動産流動化スキームの持つさまざまなメリットは、J-REITや私募ファンド等において広く利用されています。不動産金融商品は、このような仕組みで設計されたもので、投資家の皆さんが安心して投資できる環境を支えています。

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